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「隣の土地から伸びる木の枝を切れる?」民法改正について豊橋の不動産屋が考える。

2023-09-07

相続・不動産(土地・家)の売却は、豊橋のアローエステートまで

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空き家

 空き地を

 有効活用しませんか?

お隣の庭木が大きくなって、自分の敷地に塀を越えて枝が伸びてきてしまった💦

落葉や害虫が気になるし切っていいのかな?

お隣は長らく空き家、自分の敷地に伸びた枝だけ切ってしまおう!

これ、駄目なんです。

なぜなら、木はお隣の所有物ですから。

しかし、民法改正(2023年4月施工)により隣の土地から越境してきた木の枝が切れるようになりました。

もちろん枝を切るにはルール(法律)があります。

今回は、その改正された法についてみていきます。

樹木の越境についての法律が一部改正

民法第233条(竹木の枝の切除及び根の切取り)の改正で、樹木の越境問題についてのルールが一部変わりました。これにより隣地から樹木等の枝が伸びてきた場合、これまでより越境された側が切りやすくなりました。

参考:法務省 民法等の一部を改正する法律案(令和3年4月28日公布)

【改正法(2023年4月1日施行)】

1 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。

2 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。

3 第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。

一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。

二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。

三 急迫の事情があるとき。

4 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

越境された側が伐採できる条件

原則として土地の所有者に枝を切ってもらうのですが、具体的なケースとして、

・隣の土地の所有者に枝を切るように要求したものの、相当の期間内(おおよそ2~3週間ぐらい)までに切除されないとき

・木の所有者が特定できず、または、その所在を知ることができないとき

・差し迫った事情がある場合(例:台風で枝が折れて落下する危険が生じる可能性があるとき)

上記のように、頼んでも放置されていたり、そもそも所有者がわからないときは自ら切れるということです。

越境してきた枝を伐採するときの注意

原則的には土地の所有者に枝を切ってもらう。

頼めば切ってくれるとは思いますが、「自分で自由に切っていい」と言われることがある場合は、後々のトラブルを防ぐためにも「同意書」などをもらっておきましょう。

切った後に、「予想外の切り方をされた。」や「無理やり強要された。」など言われないようにしましょう。

業者に頼む場合の支払いなどについても、あらかじめ話し合いをしておきましょう。

木を切ることに正当性がある場合は、料金の支払いをその土地の所有者(お隣の人)へ請求することができますが、所有者が承知しないケースもあるかもしれません。

枝の越境で、自分の所有地に実害があるでしょうか。

枝の越境による実害がないときは、切ることを求めると権利の濫用(民法1条3項)になる可能性があります。

越境された側にも、慎重さが求められます。

隣地との境界線がハッキリしていますか。

お隣との境界が不明瞭な場合は、先に境界を確定しなければ越境を明らかにできません。

筆界確認(土地の境界線について、双方の所有者で合意を交わすこと)は費用がかかり、かつ容易に決着しないケースもありますので、事前に境界を明確にしておきましょう。

まとめ

「お隣の木が伸びてきて困っているけど、連絡がつかない」という場合は、改正民法で行動が起こしやすくなりました。

しかし、所有者がいなくて誰も管理していないと、切ったとしてもまたすぐに草木が伸びてきますから、根本的な解決にはなりません。

どうしたらいいのでしょうか。

これは木の枝の話にとどまりません。

空き家・空き地問題=「所有者不明土地」の問題です。

今回の改正民法の他に、共有している私道の管理をしやすくすることや、不要な土地を手放して国に引き取ってもらうなどの法律もできました。

いずれも、所有者不明土地の発生を抑制し、生活の支障を減らすという狙いがあります。

もし、家の周りで所有者不明の土地が増え続ければ、荒れてしまって生活にも支障が出ます。

最悪の場合、住み続けることが難しくなるかもしれません。

この問題は人口が減少する中で、私たちが生活する住環境をどう維持するか、という大きな課題に繋がっています。
それだけに今後も対策を急ぐ必要があります。

わたしたちアローエステートは、分からない事を親切・丁寧にお伝えしていき、お客様の不安を少しでも解消し、笑顔にできるよう努めます。