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遺言書について考える

2022-02-10

遺言書(いごんしょ ゆいごんしょ)とは

自分の死後、財産の処分の方法などを明記した書類のことです。民法上の効力を持たせるためには規定通りに文章を作成する必要があり、方式に反する場合は無効になります。

そもそも 遺言書は必要なもの? いつ作るの? どのように書くの? と色々な疑問があると思います。

それについて考えてみます。

遺言書は必要なのか?

 死亡時に遺言書がない場合は、法定相続人全員(残された家族、親族)が「遺産分割協議」をします。法律で配分順位や割合が決められていても、問題になる場合が多々あります。家庭裁判所は、「遺産分割事件数は増加している」と発表しています。「実際に遺産分割裁判を起こした」事件数ですから、裁判を起こすまではいかなくても、遺産分割協議でもめている家族・親族が更に多いことは想像できます。

日本は少子高齢化が進行し、核家族化、家族同士ですら孤立する、個人主義の時代が到来していると思われます。かつては、「親の遺産は同居の長男が引き継ぐもの。」という暗黙の常識が通用しなくなっていると思います。家族のあり方も、婚姻届を出さない結婚、子どもを持たない夫婦など様々な形が増えていますし、離婚する夫婦も増加しています。このように、家族関係も多様化、複雑化しています。この状況では、相続が発生すれば、問題になるのは仕方ないのかもしれません。
そして相続問題を防ぐ切り札が、遺言書だと思われます。自分が遺言書を作成することで、自分の財産を巡る問題を予防することができると思います。

そして現在、遺言書を作成する件数も年々増加しています。

遺言書はいつ作るの?

遺言書は死期が迫ってから書くという方が多いですが、遺言書が必要な人はいつでも作成出来ます。事故や天災で突然不幸がやってくることも考えられますし、残念ながら歳を重ねるにつれて判断能力も衰えていきます。遺言書は15歳以上であればいつでも作成ができ、有効期限、消滅時効はありません。

遺言書は、書いた人が死亡した時から効力を生じるものです。100歳で亡くなった人が50歳の時に書いた遺言書でも民法の規定に則っていれば、死亡時から効力を生じます。ただ、効力を失うものもあります。遺言書を書き換えた場合、以前の内容と抵触する部分については最新のものが効力を持ち、以前の抵触する部分は効力を失います。

ただ、古すぎる遺言書は色々な問題が出てきます。50年前遺言書に書いた財産が死亡時には増えたり失ったりしていることもありますし、相続人に指定した人が亡くなったりするかもしれません。もしくは、相続人を変えたくなるかもしれません。このようなことが起ることもあるので、数年ごとに見直し、書き換えた方が良いと思います。

遺言書はどのように書くの?

遺言書の書き方は自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。

  • 自筆証書遺言の書き方

自筆証書遺言とは、遺言者が遺言書の全文・日付・氏名を自筆し、押印して作成する形式です。なお、平成31年の法改正によって、遺言書に添付する財産目録については自筆しなくても良いことになりました。自筆証書遺言は特別な手続きをする必要がないため、いつでもどこでも作成することができます。なお、遺言書を勝手に開封してはいけません。家庭裁判所に遺言書を提出し、検認をおこなう必要があります。ただし、保管制度を使用すれば、検認は必要ありません。

  • 公正証書遺言の書き方

公正証書遺言とは、2人以上の証人の立会いのもと、公証人が遺言者から遺言内容を聴き取りながら作成する形式です。公正証書遺言を作成するには遺言者本人であることを証明するための実印と印鑑証明書を用意し、2人以上の証人と一緒に公証役場に行きます。そして、公証人に遺言の内容を伝え、遺言書を作成してもらいます。遺言者が亡くなったら最寄りの公証役場に行き、遺言書の内容を確認し、相続手続きをおこないます。

  • 秘密証書遺言の書き方

秘密証書遺言とは、遺言者が作成した遺言を2人以上の証人と一緒に公証役場に持ち込み、遺言書の存在を保証してもらう形式です。秘密証書遺言は、署名と押印だけ遺言者がおこなえば、遺言書をパソコンで作成したり、代筆してもらったりしても問題ありません。遺言書は遺言者自身で保管します。秘密証書遺言も自筆証書遺言と同様、勝手に開封してはいけません。家庭裁判所で検認してもらう必要があります。

遺言書には、「財産の分け方が書いてある」と思っている方が多いと思います。その通りだと思います。遺言書に書くことで法的拘束力を持つものは、財産や身分、遺言の執行に関することに限定されます。法律用語で【遺言事項】に該当し、法的な効力が生じるとされています。遺言書は、法的拘束力が発生する内容や要件がありますので、要件の不備により無効になるリスクは、回避したいです。

一方で、遺言として法的に意味がないものもあります。「家族仲良く暮らしてください」「兄弟みんなで、お母さんを助けて上げてください」などは、法的拘束力を持ちません。こうした内容は、【付言事項】として書きます。遺言書は何を書いても自由です。法的拘束力はなくても、なかなか言えなかったことを付言事項として残せば、思いを伝えることはできます。

遺言書の作成を考えている方は、まず相続診断から始めてみませんか?アローエステートでお待ちしております。