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認知症について豊橋の不動産屋が考える ①

2022-04-14

昨今の不動産取引において、認知症の発症が契約を複雑にする場合が増えてきています。

高齢社会の到来とともに、今後も認知症となる人は増えることが予想されています。

認知症になったら不動産取引できないのでしょうか?
正確に言うと、認知症などで「意思能力」が無くなっている場合には、不動産は売買できません。不動産の売買契約を結んでも、契約は無効になります。

意思能力」とは、法律用語で、自分の行為によってどのような法律的な結果が生じるか判断できる能力をいいます。認知症が疑われる場合、「意思能力」の有無の判断は、医師の診察が必要です。

ただし、ひと口に認知症といっても、症状は様々です。
認知症が疑われる場合でも、「意思能力」があると判断されるなら、通常どおり単独で不動産を売却できる可能性もあります。

下の例を見てみましょう。

例① 認知症の親が介護施設に入ることになったのでその契約費用に、あるいは親の日々の生活費のために、親が所有している不動産を親に代わり子供が売却したい。

例② 介護には、広い居住スペースやバリアフリー機能が充実した家があると便利だから、認知症の親に物件を買わせたい。または、リフォーム代を出させたい。

これらの例は、認知症の人(親)の「意思能力」がない場合は、契約は無効になります。

また、認知症の親の財産使い込みも親族間トラブルの元です。民事訴訟になるケースもあります。

「意思能力」のない人の財産は、使わない。使わせない。ようにしましょう。

どうしたら、認知症の人が所有する不動産を売却することや、認知症の人に不動産を買わせることを防ぐことができるのか?それについて、考えます。

家族信託と後見制度

家族信託                                                家族信託は、財産の所有権のうち、管理する権利だけを信頼できる家族に移す(託す)制度です。「意思能力」が低下する前に利用できる自由度の高い制度であり、後に相続が発生した時も強い見方になります。ただ、認知症を患ってしまったあとでは、利用することが出来ません。2019年からの新しい制度で、見聞が低いと思いますが、段々と普及が進んでいます。

後見制度                                                     後見制度は、「意思能力」を失った人をサポートできるものです。本人が元気なうちから、将来自分が認知症になってしまった時のために、後見人を選んでおくことのできる任意後見制度と「意思能力」が低下してしまったあとに、後見人を家庭裁判所が選ぶ、法定後見制度があります。いずれの制度にしても、制度を開始した場合には、後見人が本人の代わりに、以下のことが行えます。

  • 不動産・貯金などの財産管理
  • 遺産分割の協議
  • 介護施設・サービスに関する契約の締結 など

認知症を患ってしまった後は、後見制度を利用して不動産取引をすることになると思います。

まとめ

後見制度を使って後見人に頼めば不動産売買を進めることはできるはずと思いますが、必ずできるわけではありません。後見人は「意思能力」を失った人の財産を守ることが役目であり財産を運用したり、組み替えたりすることが役目ではありません。                                                  売買することに合理的な理由があると認められる場合を除き、家庭裁判所から許可がおりない可能性が高いです。 不動産を売却しないと、介護施設に入居できないなどの理由があれば売却することはできます。

認知症になる前であれば、生前贈与で不動産の名義を変更したり、家族信託にしておいたり、任意後見制度を利用したり選択肢があります。

様々な制度を選択し、利用することができる事前準備が大切だと思います。

そうした事前準備も、わからないことも多く、不安になる事もあると思います。わからないことをお聞きし、お客様の不安を少しでも解消し、笑顔にできるようアローエステートは、努めます。